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zoom RSS シリーズ「マイルスを聴く?」・・・お前は逮捕されている。

<<   作成日時 : 2009/05/21 02:05   >>

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今夜のBGM・・・ MILES DAVIS / YOU'RE UNDER ARREST

マイルスのアルバムを集め始めたのは大学1年生の時からだけど、この「ユア・アンダー・アレスト」はかなり最初の頃に買ったアルバム。まだマイルスは存命中でした。でも買った当時は良さがあんまりよくわからなかった。


いかにも80年代のペラい音も好きじゃなかったし、なんでこんなチャラチャラしたコンテンポラリーな音楽をジャズの帝王マイルスが・・・マイケル・ジャクソンのカヴァーなんてする必要あるの?なーんて、どっかのジャズ親父のようなことを思っていました。評論家の書いた文章を鵜呑みにしてたんだろうなあ。実際、「ラウンド・ミッドナイト」とか50年代60年代のアコースティックな王道ジャズ時代の演奏はすんなり受け入れられたのに、これはなかなか心に刺さってこなかった。


純粋にこのサウンドが違和感なくすんなり耳に入るようになってきたのは割と最近。10年ひと昔っていうけど、80年代のサウンドは90年代に聴いたらいかにも古くさかったのに、20年たった2000年代の耳で聴くと巡りめぐって新鮮に聴こえるもんなんだなあ、としみじみ。初期プリンスの音なんて今聴くとメチャメチャかっこいいもんなー。晩年のマイルスはプリンス目指してたっていうから、それと同じじゃん、とか思ったり。


あとは、さまざまなリズムやハーモニーの実験を繰り返しつつ、時には「ビッチズ・ブリュー」「アガルタ」「パンゲア」のような恐ろしい暗黒大陸のような作品も残しながら、何十年にも渡って前衛的かつ大衆的という相反する要素を両立させながら音楽シーンの最前線を走ってきた巨人・マイルスが、晩年にたどり着いたのが「シンプルないいメロディを美しく鳴らす」境地だったという事実にグッときます。ま、それがマイルスという人の本質で、実験的な音楽をやってる時でも常に失わなかったことなのかも知れないですけど。晩年になってそこがクローズアップされたってことがマジで凄い。


シンディ・ローパー「タイム・アフター・タイム」とマイケル・ジャクソン「ヒューマン・ネイチャー」。晩年のマイルスにとって重要なレパートリーとなった2大バラードが入っているという点で外せないアルバムでもあります。


マイケル・ジャクソンやプリンスといった、当時爆発的なセールスをあげていた、売れてるポップ・ミュージックに対する嫉妬。評論家の賛辞だけじゃなくてセールス的にも大衆の支持を受けたトップスターでありたいという、いくつになっても枯れない若さというかスケベ根性というか、その辺が感動的でさえあります。この巨匠がですよ!


マイケルのお株を奪うビカビカな衣装でキメたマイルス。この時代のトレードマークの赤トランペットは赤い彗星的なカッコよさ(笑)。ポーズもイチイチカッコつけてる。このとき60歳ぐらい。まだモテたい、ウケたい、全然枯れてない。今でこそ多くのロック・ミュージシャンが還暦迎えてるけど、当時こんなカッコつけた爺さん他におらんかった(笑)。明らかに最先端を走ってた。カッコつけてるだけじゃなくて実際カッコイイもんね。




他にこのアルバムの地味な聴き所として、ジョン・マクラフリンジョン・スコフィールドという2人の変態バカテクギタリストの変態ギターを聴き比べるという変態的な楽しみ方もあります。


ひさびさにマイルスのアルバムに参加した王様ジョン・マクラフリンはCDEで相変わらず強烈なブリティッシュ・ジャズ臭のする変態ソロを、それ以外の曲ではより軽妙なスコフィールドの変態ギターが楽しめます。
ちなみに全曲ベースは現ストーンズのサポート・メンバーとしておなじみのダリル・ジョーンズです。


コカインを鼻から思いっきり吸引する音から始まって、スティング扮する警察官との小競り合い・・・ストリート・ヒップホップ風な1曲目から、カウントダウンの声、爆発音、子供たちの悲鳴・・・核戦争を予見させるラスト曲まで、トータル的にも聴き所が満載なこのアルバム。80年代以降のマイルスの作品の中では最重要作だと思います。



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Miles Davis

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
私もコレはリアルタイムでは全く心に響かず、近年になってやっと「悪くない、というかイイんじゃないの?」と思うようになりました。「スター・ピープル」以後のアルバム全般に言えることですが。

「何回このフレーズ使い回すんじゃい!」とツッコミ入れたくなるオープニング(「ジャック・ジョンソン」ですね)は確かにカッコイイ。マクラフリン大活躍の「KATIA」も大興奮です。やっぱりマイルスは死ぬまで時代の最先端を走っていたのですねえ。
ぜん
2009/05/21 05:57
>ぜんさん

>「何回このフレーズ使い回すんじゃい!」

いわゆる「ジャック・ジョンソンのテーマ」ですね(笑)。もともとマクラフリンが突発的に弾いたフレーズですよね。あれはロックなアルバムですよねー。

この「ユア・アンダー・アレスト」までは、まだロック的に燃える瞬間がありますね。「TUTU」になると切なくていいんだけどさすがに興奮して我を忘れることはないです。あれはワビサビの境地というか。カラオケですからね(笑)。
カナ
2009/05/22 02:39

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