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zoom RSS スティーリー・ダン過渡期の4枚目はジェフ・ポーカロのドラムを聴け!

<<   作成日時 : 2009/11/01 04:49   >>

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今夜のBGM・・・ STEELY DAN / KATY LIED

スティーリー・ダンがバンド形態を維持していた初期の3枚(「キャント・バイ・ア・スリル」「エクスタシー」「プレッツェル・ロジック」)と、ドナルド・フェイゲンウォルター・ベッカーの双頭ユニットがセッション・ミュージシャンを湯水のように使い倒して完成度の高いアルバムを制作するようになった後期の3枚(「幻想の摩天楼」「エイジャ」「ガウチョ」)の間をつなぐ、過渡期の作品として埋没しがちな4枚目がこの「うそつきケイティ」。

実は曲は粒揃いだし、逆に言うと、初期3枚のバンド的なダイナミズムやロック感を残しつつも、後期3枚の洗練と完成度を併せ持った、実に深いアルバムなのだ。


しかしいかんせん、ジャケが悪い。なんですか、これは。カマキリですか?バッタですか?今までカマキリと思ってたけどよくみりゃバッタだな、これは。カマがない。しかもこのピンボケ写真はなんですか?ひどすぎますよ。しかしダンのジャケはみんなひどいし、聴き手に意図が伝わらないという不気味さをわざと演出しているのかも。フェイゲン&ベッカーならやりかねん。そういう、わけのわからなさも全部ひっくるめてダンの魅力である。


ところでこのアルバム、ドラム好きにとっては、あのジェフ・ポーカロのドラミングをほぼ全曲で満喫できるという貴重な作品なのだ。


なんせこのアルバムではポーカロは正式メンバー扱い・・・いや、正確に言うとこのアルバムには正式メンバーのクレジットはベッカーとフェイゲンでさえなく、ただ録音に参加したメンバーの名前がパーソネルとして羅列してあるだけなのだが・・・なんと裏ジャケットにポーカロの写真がのっているのだ。

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ちなみに写真がのっているのはベッカー、フェイゲン、デニー・ダイアス、プロデューサーのゲイリー・カッツ、エンジニアのロジャー・ニコルズ、そしてマイケル・マクドナルドとポーカロ。つまりこの4枚目ではこの7名が正式メンバー扱いということ。ほとんどの曲でポーカロのタイトで洗練されたドラミングが曲を引き締めてる。

唯一、H「エニ・ワールド」だけ、前作からの流れでベテラン名手ハル・ブレインが叩いているのだが、やはりこの曲だけ前作の牧歌的な雰囲気を引きずってる。手数の多いおかずと、タメやもったりとした間で聴かせるハル・ブレインのドラムは、フィル・スペクターなどの黒い60年代ポップスのエイト・ビートで効果を発揮するけど、新感覚フュージョン・ポップスを目指していた当時のダンではあきらかに浮き気味になってきてる。

それに対してポーカロのジャストなタイミングのシャッフルや16ビートは、これから後のスティーリー・ダンのサウンドにピッタリとハマります。いきなり@変態ロックンロール「ブラック・フライデー」からポーカロのドラミングに耳がくぎ付け。フェイドアウト間際のハイハット・ワーク!静かに始まるA「バッド・スニーカーズ」の歌い出し、ヴォーカルの合間の「ツッタ、ツタ、・・・」まで静かに主張している。



この後、ポーカロはすぐにダンを抜けてセッション活動を再開→TOTO結成となるんだけど(ダンのセッションにはその後も継続して参加)、もしこのまま正式メンバーとして残っていたら、フェイゲン&ベッカーの双頭ユニットとしての後期スティーリー・ダンは、フェイゲン、ベッカー、ポーカロの三位一体型に変わっていたかも知れない。よりバンドっぽい展開を見せていたかも・・・なーんて、夢は広がる。


他にも、超ポップでさわやかなB「可愛いローズ」、ダン中期屈指の名曲D「ドクター・ウー」(フィル・ウッズによる最高のサックス・ソロ必聴!)、フュージョン的イントロダクションからミステリアスなコード展開を見せる、エイジャの原型的なF「ユア・ゴールド・ティースU」(後にハービー・ハンコックがカヴァー)、ギター・ソロの超カッコいい変態R&BG「チェイン・ライトニング」など・・・・聴き所満載!


ギターの聴き比べという、ダン後期のアルバムの1つの楽しみもこのアルバムからできるようになった。
前作の後、オリジナル・メンバーだったジェフ”スカンク”バクスターがドゥービー・ブラザーズ参加のために脱退して、そのあてつけかのようにセッション・ギタリストが大挙して参加。
ダイアス、ベッカー以外の参加ギタリストは、リック・デリンジャー、ディーン・パークス、エリオット・ランドール、ヒュー・マクラッケン、ラリー・カールトンと、みな後期のダンのレコーディングでお馴染みとなるメンバー。ただ、イマイチこのアルバムではどのギターソロが誰ってのがハッキリわからないんだけどね(笑)。


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タイトル (本文) ブログ名/日時
うそつき
もう、そろそろと言うかブログはじめてやっと。好きすぎて、妙な事書くんだろうなと思ってなんか無理だったんですが…。日によってまったく違うけど「最近」の個人的ダンベストは迷わずこれ。「Katy Lied」。思い出深いってのが大きいだけかもしれないけど。4枚目です。もちろん「幻想の摩天楼」や「Aja」「ガウチョ」の完成度と言ったら、震えシビレを感じて鳥肌たちっぱなしだけども…でも、結局、何度も流し聴きしいるのはどれか?って言えばこれ?まだまだバンドサウンド感が残っていて、もの凄いピリピリし出す前夜みた... ...続きを見る
君が待つのは世界の良い子の手紙
2009/11/01 17:22
Steely Dan 「Katy Lied」(1975)
ブログ仲間のカナさんのこのアルバムの紹介記事における「ジェフ・ポーカロのドラムを聴け」といった文言に触発されて、今更ながら本作を聴いてます。スティーリー・ダンは大好きなグループなんですが、なぜかこのアルバムはスルーしていました。恐らくジャケットの所為かと思われますが(笑)、私の崇拝するジェフのドラムが堪能出来るのであれば、これは聴かない訳にはいきません。 驚くことに当時ジェフ・ポーカロ、若干20歳・・・。名うてのミュージシャンと堂々と渡り合ってます。 ...続きを見る
音楽の杜
2009/11/07 11:56

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
あ〜バッタかあ。カマキリだとずっと思ってたなあ。何ででしょう。傷がつくほど聴きまくっててもジャケを見る機会がなさすぎ…ここまでぼんやりされちゃーね(笑)。「草むらに虫のやつ」くらいの。ダンのジャケは全部ダサイからなー。
んで、これ中身は私も大好き。もう突入寸前だよね。あと、伊藤政則…じゃなかった、ポーカロさま。またまた古すぎる記事をTBいたします。
yoiko
2009/11/01 17:18
>yoikoさん

一瞬カマキリか?と思ったけどやっぱりバッタだった。ジャケのダサさは何だろねー。かろうじてアートっぽいのがエイジャとガウチョぐらいで。これとか2ndとか酷いよね。3もか。1〜5は全部酷いな。「ナイトフライ」とか決まってるのにねえ。もしかしてベッカーの趣味か?
セーソク(ポーカロ)はもうちょい色のついたメガネだったら完璧だな・・・。TBありがとう!
カナ
2009/11/02 02:29
こんにちは。この記事に触発されて久しぶりにこのアルバムを聴き返しました。地味な印象のアルバムだったのですが、実は楽曲が後期ほどガチガチでもなく、キャッチーかつ演奏もしっかりしており、十分楽しめますね。
むしろスティーリーのなかでも一番好きかも。
(記事TBさせて頂いたのですが、うまくいかないようです)
240
2009/11/07 11:58
>240さん

こんばんは!すみません、TBは確認してから公開するような仕様にしてあるので、反映が遅れて申し訳ないです。スパム対策なんですが、最近スパム少ないのでもう解除してもいいんですけどね。
まさに初期を後期をつなぐ作品ですよね。どっちのよさも兼ね備えてるとも言えるし、どっちつかずの中途半端な作品とも言えます。でも意外にこのアルバム好きな人が多いようなので、みんな前者の意見に同意してるんでしょうね。もちろんわたしもその1人です!!
カナ
2009/11/09 23:04
Hello! I just wanted to ask if you ever have any trouble with hackers?
My last blog (wordpress) was hacked and I ended up losing several weeks of hard
work due to no back up. Do you have any methods to protect against hackers?
Mattie
URL
2017/07/25 20:12

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