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zoom RSS 2010年、68歳のディランを聴くということ。

<<   作成日時 : 2010/03/07 03:42   >>

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今夜のBGM・・・ BOB DYLAN / TOGETHER THROUGH LIFE



コホン・・・。さて、前回少し取り乱したので、気を取り直して。


ディランである。3/19(金)のZepp名古屋でのライヴ、参戦させていただきます。初めての生ディラン。次の来日がいつになるのか、あるのかないのか、少なくともこんな距離感の近いライヴハウスでその姿を拝むことができるのは最初で最後だと思われます。しっかりと瞼に焼き付けておかないと。

UDOのホームページによると、来日予定のバンドメンバーは以下のとおり。

BOB DYLAN, TONY GARNIER (bass), DON HERRON (steel guitar / mandolin / violin / trumpet), STUART KIMBALL (guitar), GEORGE RECILE (drums / percussion), CHARLIE SEXTON (guitar)


トニー・ガーニエドン・ヘロンジョージ・リセリの3名は最新アルバム「トゥゲザー・スルー・ライフ」のレコーディングにも参加した、最近のディランを支えるお馴染みのメンバー。

ギターは、最新アルバムではトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズマイク・キャンベルだったけど、ツアーでは代わりにスチュアート・キンボール。ディランのアルバムでは「エンパイア・バーレスク」などに参加、他にカーリー・サイモンのバッキングなどでも知られるベテラン・セッションギタリストだ。そしてチャーリー・セクストンの名が嬉しい!80年代の「ミュージック・ライフ」読者には「チャリ坊」として知られるかつてのアイドル・シンガー&ギタリスト。ディランのバッキングはアルバム「ラヴ・アンド・セフト」時代にツアーもレコーディングも経験済みで、心強い。


そして肝心の御大ディランである。2002年秋以降のステージではなんと!ギターを一度も弾かずに(笑)キーボードを弾きながら歌うなんてのも話題になってたけど、最近のステージではたまにギターを手に取ることもあるという。常に変化しつづける男ディラン。いつまでもハーモニカ吹きながらアコギ弾いてるなんてイメージは捨てなきゃいけない・・・そいつはわかっているのだが、やっぱりちょっとぐらいはギターを弾いてる姿も見たいというのがファン心理というもの。そのあたりも大いに気になるところだ。


さて、老いてますます盛んというか、昨年発売された33枚目のスタジオ・アルバム「トゥゲザー・スルー・ライフ」、なんと全米・全英アルバム両チャートで初登場第1位という快挙を成し遂げた。ディランの全米第1位を獲得したアルバムは、「プラネット・ウェイヴス」、「血の轍」、「欲望」、そして前作「モダン・タイムズ」に続いてこれで5枚目。意外なことに60年代の名盤「追憶のハイウェイ61」は3位、「ブロンド・オン・ブロンド」は9位どまり。つまりセールス的には最初のピークが70年代、そして2000年代の今が第2のピークなのだ。

サウンド的には、「ラヴ・アンド・セフト」、「モダン・タイムズ」、この「トゥゲザー・スルー・ライフ」を2000年代の3部作と位置づけることができる。ギター中心の60年代以降のモダン・ロック・サウンドではなく、完全に50年代以前の古きよきアメリカ・・・ブルース、ジャズ、カントリーといったアメリカン・ルーツ・ミュージックを掘り下げたもの。

そんな中でも本作は比較的穏やかで、ゆったりとした楽曲の色合いが強い。ロマンティックなイメージが強いのはジャケのせい?それから、このアルバムのキー曲であるA「ライフ・イズ・ハード」が、「あなたがそばにいなければ人生はとても厳しい」という、ある意味究極のラヴ・ソングゆえ。アルバム全編に、デヴィッド・イダルゴロス・ロボス)の奏でるアコーディオンの音色が彩りを添える。それゆえテックス・メックス風味も強い。

もちろん、60歳代後半にしてディランの創造性がピークに達したとか、そういったわけでは全く無い。年相応のディランが、今やりたいこと、やれることを淡々とやっている。それが素晴らしい。アメリカには、ディランを育てた広大な音楽の土壌があり、彼が切り開き耕してきた音楽の歴史があり、彼と共に成長してきた膨大な数のリスナーがいる。最近の作品が売れているのはそういうバックボーンがあるからであって、日本でのセールスは相変わらずお寒い。

60年代、フォーク、ロックの革新者としてのディランから、現在はアメリカン・ルーツ・ミュージックの伝承者、継承者へ・・・長いキャリアの中でその立ち位置を変化させているディラン。今のディランを聴き、見るにあたっては、最低限そのことを理解していないと十分に楽しめないと思います。


ディラン・フリークとして有名なみうらじゅん氏は、ディランの作品がたくさんあってどれから聴いていいかわからないときは、自分と同い年の時にディランが出した作品を聴くとよいと言っています。現在68歳のディラン。ということは、今のディランのアルバムやライヴは自分が68歳になったつもりで聴くと、きっとグッとくると思います(笑)。自分は38歳でもかなりグッとくるのですが、それでも相当無理してる所もあるんだと思う。きっと68歳になった時はもっとグッとくると思います。

逆に、今10代、20代の若い人たちは最近のディランから聴き始めると多分失敗する。2度と聴かなくなる危険性が高いし、今このへんのアルバムを聴く必要は全くないと思う。やっぱり一番尖ってた頃のディラン、「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」や「追憶のハイウェイ61」から聴いて欲しい。最近のアルバムは、60年代、70年代のディランのアルバムを一通り聴いてからで十分。ライヴも、チケット代高いんだしわざわざ観る必要ない。それより他のアーティスト3回観るとか、ロックフェス行った方がよっぽどいい。おじさん達のためにチケット1枚譲ってあげて下さい(笑)。


ディラン、セールス的には第2の黄金時代!な、2000年代3部作。

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コメント(10件)

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毎度、JTです。

>そのことを理解していないと十分に楽しめないと思います。
>60年代、70年代のディランのアルバムを一通り聴いて

あ、耳が痛いです。60年代、70年代のディランのアルバムもかなり抜けています。

予習もしていません。今は東京事変と大橋トリオがヘビロテです(爆)。

『トゥゲザー・スルー・ライフ』も渋谷陽一の番組でエアチェックした3曲しか聞いたことないし。

>自分と同い年の時にディランが出した作品を聴くとよいと言っています

えっと、私の場合『オー・マーシー』になります。持ってませんが。

>ディラン・フリークとして有名なみうらじゅん氏

おっかけで名古屋にも現れそうですね。

こんなあたしですが、当日よろしくお願いします!!

JT
2010/03/07 09:27
> みうらじゅん氏は、ディランの作品がたくさんあってどれから聴いていいかわからないときは、自分と同い年の時にディランが出した作品を聴くとよいと言っています。

こうも言っています。
最初(1枚目)から聴くのは苦難の道だと。
わからんでもない。でも、そんな私も一時期は非常に興味を持ったものの、ディランはほとんど聴いてはいません。勉強せねば、と常々思っております。

余談ですが、みうらじゅんも“MJ”と呼ばれていますねww
ルドルフ
2010/03/07 09:49
トゥゲザー・・・良いですね。
チェス・レコードのような音を狙った、との事ですが、僕にはザ・バンドとやってた頃の音よ再び、という印象でした。
ディランのアルバムは相当抜けているので心配ですが、東京で参戦します! 楽しみ楽しみ。
substitute
2010/03/07 22:14
>JTさん

ども、毎度です!

>60年代、70年代のディランのアルバムを一通り聴いて

あ、代表作を一通りなめてから、という意味です。わたしも結構抜けてます(笑)。
予習はYou Tubeで十分だと思います(爆)。この映像参考になりますよ。
http://www.youtube.com/watch?v=7OOxyTM6ZlQ&feature=player_embedded#

そうそう、MJ来るかも知れませんね(笑)。こちらこそ当日お願いします!
カナ
2010/03/09 03:23
>ルドルフさん

>最初(1枚目)から聴くのは苦難の道

確かMJ氏は生真面目に1枚目から順番に買っていったんですよね。特に1枚目は有名曲も入ってないし、全曲カントリー・ブルースの弾き語りですから、16才の少年には辛かったろうと思います(笑)。
カナ
2010/03/09 03:31
>substituteさん

わたしもチェスの音には聴こえなかったです。しかしこの激シブの音で全米1位獲ってしまうって凄いです。
ライヴ楽しみですね!曲が始まってから30秒以内にどの曲か解るのを目標に頑張ります(笑)。
カナ
2010/03/09 03:34
ええー皆様行かれるんですか(T-T)うらやましい…当方タイ仏を選んだので、見合わせです


カナさんには同業他社?かもですが、某○ワーレコードではボブ祭で、名盤輸入がめちゃ安でした。なんてこった…


フォークやロック化身の代名詞のようですが、個人的には初期?ごろのBlues感に惹かれてます。まぁLiveだと全く変わるんでしょうね。


神レポよろしくお願いします。
イデハラシャチョウ
2010/03/09 12:44
♪楽しく拝見させていただいてます。「ラヴ・アンド・セフト」、「モダン・タイムズ」、この「トゥゲザー・スルー・ライフ」などから、ディランはアメリカン・ルーツ・ミュージックの伝道者のような姿勢を見せていますね。ということで、ディラン来日を祝して
『ボブ・ディランのルーツ・ミュージック』(白夜書房刊)を書き上げました。どこぞの書店でぜひお手にしてください。
@katsu
2010/03/10 09:50
>イデハラシャチョウさん

>某○ワーレコードではボブ祭で、名盤輸入がめちゃ安でした。

そうですか、ウチじゃできないから困ったもんだ(笑)。心の中だけはボブ祭やってます。

レポがんばって書きますのでよろしくです。
カナ
2010/03/11 05:05
>@katsuさん

音楽評論家の鈴木カツさんですね?いつも解説や著作を拝見し、参考にさせていただいてます。コメントいただいて光栄です。
新刊を出されたのですね。ディランのルーツをより深く知るために、是非手に入れて来日コンサートを楽しみたいと思います。
カナ
2010/03/11 05:24

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