志村がドリフターズに持ち込んだファンク感覚

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今夜のBGM・・・ ザ・ドリフターズ / ドリフのシングルコレクション

ドリフ。その言葉を口にしただけで、おもわず頬がゆるむ。
パブロフの犬のように、それは幼少時代の記憶の奥深く、完全に刷り込まれてしまっており、もうどうすることも出来ない。

ごぞんじのように、ザ・ドリフターズといえば、いかりやはカントリー&ウエスタン、仲本はロカビリー、高木はハワイアン、加藤はジャズ、といったように、それぞれが異なる音楽のバックグラウンドを持ったミュージシャンの集合体である。(唯一荒井は楽器ができなかった。)特に、いかりやはカントリーの名門バンド、ジミー時田とマウンテン・プレイボーイズのベース奏者だった。晩年のビールのCMでベースを弾く長さんの姿に「かっこいい!」と唸った方も多いのではないだろうか。

ドリフの全盛期といえば68年~73年ごろ、カトちゃんの無邪気なキャラと、荒井のオヤジキャラの対比が爆笑をさそい、歌手としてもこの時代にヒット曲を連発。その中でも最高傑作が④「のってる音頭」。豪華なストリングスのイントロから一転、「ズンカチャカ、ズンカチャカ」と阿波踊りのリズムにのって、メンバーが次々と入れ替わりリード・ヴォーカルをまわしていく。中でも加藤の伸びのある高音と、いかりやの「やっぱりはずれたよー」という呪術的な叫び声が白眉だ。コロコロと変わる万華鏡的なアレンジは、歌謡曲の枠を飛び越して、サイケデリックでさえある。

しかし、加藤の全盛期に乗り遅れたわたしの世代にとっては、脱退した荒井の代わりに正式メンバーとなった、志村こそがドリフの核。音楽的には、志村は特に楽器が得意なわけではなかったが、大のロック/ブラック・ミュージック・フリークで、ドリフに新しい要素を持ち込んだ。ご存知のように、有名な「ヒゲダンス」のテーマは、ソウル・シンガー、テディ・ペンターグラスの「ドゥー・ミー」のリフが元ネタ。「早口ことば」も、同系統のリフをバックトラックにした、日本語ラップの先駆け。

当然、志村加入後の初シングルとなった⑰「ドリフのバイのバイのバイ」では、それまでとは音楽性を180度転換、強烈なファンク・ナンバーに仕上がった。オープニングから、若き志村の、「ウワーーーーヲーー!」、「ゲェーーロッップアーー!」という熱き魂のシャウトが炸裂する。中盤でも、新生ドリフの船出を高らかに宣言するように「ウワーーヲーーー、ダーーーナマーーイ!」、これは燃える。

さらに、そのB面だった⑱「ドリフの英語塾」は、志村のヴォーカルこそないが、さらに濃厚。P・ファンクのバーニー・ウォーレルばりのキーボードがうごめき、細かく動くベースラインにのって、いかりやとメンバーのコール・アンド・レスポンスがひたすら繰り返される。ここでの地の底から響き渡ってくるようないかりやの声は、時にあのキャプテン・ビーフハートを思い出させるほど、怪しげな魅力に満ちている。

ちなみにこのアルバム、湯村輝彦によるジャケットも楽しいし、スリーヴにはオリジナル・シングル・ジャケットのCDサイズ復刻版も封入されていて、それを眺めているだけで、また頬がゆるんでくる。

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