表があれば裏もある。スラップ・ハッピーの「裏ポップ」大名盤!

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今夜のBGM・・・ SLAPP HAPPY / CASABLANCA MOON

「スラップ・ハッピーとは、パンチ・ドランクによって頭がふらふらになった状態を表すギリシャ語に由来する。そこから派生して”ぶっとんだ状態”あるいは”とりあえず気楽にいく”といった意味で用いられる語だ。」(「プログレッシヴ・ロック」音楽ノ友社刊より抜粋、文・湯浅学)

パンチドランクと聞いて、「あしたのジョー」の矢吹丈やカーロス・リベラをつい思い出してしまうのはわたしだけではないでしょう。それはともかく、なんともカッコいいバンド名じゃないですか。彼らの音楽も、まさに「ぶっ飛んでるんだけど、気楽に聴ける」といった感じです。

スラップ・ハッピーは、上のガイドブックのようにプログレのくくりとして紹介されることが多いのですが、それはヘンリー・カウと組んでアルバムを作ったり、結局ヘンリー・カウにヴォーカルのダグマー・クラウゼを引き抜かれ、その後アート・ベアーズに発展していく・・・という経緯があるから。

この「カサブランカ・ムーン」で、彼らはタンゴ、シャンソン、ジャズからクラッシクまで雑多な音楽の要素を取り入れながら、あくまで洗練されたポップかつお洒落な形で提示することに成功しています。
というのも、このアルバムは最初あまりに飾り気が無くてボツにされたんですね。その後アレンジを1からやり直してリリースにこぎつけたもの。そのリ・アレンジ前の生の姿は「Acnalbasac Noom」というタイトル(Casablanca Moonの逆さ読み)で後にリリースされています。

聴き所は、その豊潤な演奏をバックに聴かせる、才色兼備のドイツ人女性ダグマー・クラウゼの、コケティッシュなのに媚を売らないヴォーカル(なんじゃそりゃ)。こんなに表情豊かで時に切れ味鋭い素晴らしいヴォーカルを、才人軍団ヘンリー・カウがほっとく訳ありません。
マニアなポップスファンのみならず女性ヴォーカルの好きな人にもぜひ聴いてもらいたいです。

なぜかヨーロッパの安酒場の雰囲気がプンプン。(行ったことはないですが。)安いワインをガンガン飲みながらお聴き下さい。

ちなみにこのCDは、アルバム2枚をCD1枚にまとめた2in1仕様になっていて、12曲目からはヘンリー・カウとの競演盤「Desperate Straights」になります。こちらになると雰囲気は一変、俄然プログレッシヴになります。この緊張感あふれる演奏は完全にヘンリー・カウの世界。そこでもダグマーのヴォーカルは、超絶的な演奏にまったく引けをとっていません。そりゃ引き抜かれるわけだ。



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この記事へのコメント

夜響
2005年07月20日 20:23
「立つんだ!ジョーぉぉぉ!」
誰も食いつかないんで、私、食いつきます。
このセカンド、いわくつきの作品でして、はじめファウストと一緒にレコーディングをしたものの、ポリドール・レコードが発売拒否したもんだから、それじゃあってんでロンドンでレコーディングし直したんですねぇ。(ひでえ~)
「カサブランカ・ムーン」はメランコリーな完成されたポップといいましょうか。好きでした・・しか~し同年の再結成アルバムを聴いて、私の夢ははかなく消えました。(泣)
カナ
2005年07月21日 00:43
>夜響さんへ
これに食いついていただける人がいてよかった(笑)。
レコーディングやり直し前のオリジナル盤「Acnalbasac Noom」も味わい深くていいですね。再結成盤の「CA VA」は残念ながら未聴です。ヘンリー・カウについてもそのうち取り上げたいと思います。(そのときはまた食いついてください!)

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