スティーリー・ダンの1stアルバム、意外な聴き所?

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今夜のBGM・・・ STEELY DAN / CAN’T BUY A THRILL

先日のフランク・ザッパのジャケと並べてみても、何ら違和感のないヘンテコ・ジャケでお馴染み?スティーリー・ダンのファースト・アルバム。

このアルバムではなんといっても、いろんな人がカヴァーしている、1曲目「ドゥ・イット・アゲイン」が有名です。しかし、なかなかどうして、他の曲も佳曲揃いの好アルバム。まあ、彼らに駄作など存在しませんけどね。

この頃のダンといえば(モロボシ・ダンではなくスティーリー・ダンの略ですからね)、後にフェイゲン&ベッカーの双頭ユニット体勢で、「エイジャ」、「ガウチョ」といった名盤を連発した頃と違い、まだはっきりとしたバンド形態を保っているのが魅力です。

ちなみに、このデビュー盤の面子は、

ドナルド・フェイゲン(ヴォーカル、鍵盤)
ウォルター・ベッカー(ベース)
ジェフ・”スカンク”・バクスター(ギター)
デニー・ダイアス(ギター)
ジム・ホッダー(ドラムス)
デヴィッド・パーマー(ヴォーカル)

さて、この中で注目していただきたいのが、ヴォーカルのデヴィッド・パーマー。

「えっ、スティーリー・ダンのヴォーカルって、ドナルド・フェイゲンだけじゃないの?」

いやいや、実はこのアルバムのみで脱退してしまいますが、しっかりとレギュラー・メンバーとしてクレジットされています。
実は、後に「ヴォイス・オブ・スティーリー・ダン」と呼ばれるドナルド・フェイゲンですが、最初は歌うことが大嫌いだったそうなんです。自分の声を「いい声」とは思ってなかったようです。確かに、純粋な意味での「美声」というのとはちょっと違うとは思いますけど。

本当はヴォーカルは他人に任せて、自分は作曲と演奏に専念したかったようです。というわけで、専任のヴォーカリストとして、デヴィッド・パーマーが迎えられたと思うのですが、その割にはパーマーがリード・ヴォーカルを取っているのは2曲のみ(笑)。あんた、いる意味ないじゃん。

ところが、わたし個人的にはデヴィッド・パーマー、彼の歌う2曲がある限り、永遠に忘れ得ぬ存在となっています。その2曲が「ダーティ・ワーク」と「ブルックリン」。

まず「ダーティ・ワーク」。1曲目「ドゥ・イット・アゲイン」が終わったあと、ゆるやかなキーボードとホーンの調べに運ばれて、風のようにふわ~っと気持ちよく吹いてくるパーマーの素朴な声。「あんた誰?」と思いながらも、すでに気持ちは持っていかれています。あとはこの心地よさにただ身を任せるのみ。

そして「ブルックリン」。この曲は、デモ・テープではフェイゲンが歌っていたのですが、パーマーの牧歌的な性質の方が合っていると判断したのでしょう。彼の明るい声は、フェイゲンの「夜声」とはひと味違った新鮮な魅力に溢れています。ちなみにこの曲、わたしがニューヨークの街を歩く時のテーマ曲と決めています。(行った事はありませんが・・・)

他にも、このアルバムでは4曲目「ミッドナイト・クルーザー」で、ドラムスのジム・ホッダーがリード・ヴォーカルをとっています。(他の曲は全てフェイゲン。)
実は、彼らのデビュー曲「ダラス」でリード・ヴォーカルをとっているのも、このジム・ホッダーだったりします。後のダンでは考えられないこの多彩なヴォーカリスト陣。

ヴォーカル以外でも、初期ダンの特徴である、ジェフ・バクスター&デニー・ダイアスのツイン・リード・ギターを前面に押し出した、ギター・バンドとしての側面が楽しめるのもこのアルバムの持ち味。特に、後にドゥービー・ブラザーズに加入する変態テクニシャン、ジェフ・バクスターのソロが存分に楽しめるのが「チェンジ・オブ・ザ・ガード」。(名曲「リーリング・イン・ジ・イヤーズ」のソロはゲストのエリオット・ランドール。)
ちなみに、彼のプレイが最も炸裂しているのがセカンド・アルバム収録曲の「菩薩」と「マイ・オールド・スクール」。この2曲のギターには、いつも聴くたびに狂喜乱舞してしまいます。

そんなわけで、名盤「エイジャ」以外にも、聴き所満載のダンのアルバム。また近いうちに取り上げようと思います。次は何にしようかなっ。(あー楽しい)




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この記事へのコメント

yoiko
2005年10月16日 22:21
お~。このアルバム他に比べてあんまり聴いてないけど、そうそう駄作はありえるわけがないのです(信者か…)デヴィッド・パーマー!歯ガッタガタの人ですよね(笑)フェイゲンの歌はコンプレックスが逆にトレードマークとなってしまったのが素晴らしいですよ。「ドゥ・イット・アゲイン」はギターもいいですよね~。
カナ
2005年10月17日 01:49
>yoikoさん
>デヴィッド・パーマー!歯ガッタガタの人ですよね

さすがyoikoさん(笑)、わたしも彼の写真ほとんど見たこと無いのに。
「ドゥ・イット・アゲイン」のソロはデニー・ダイアスですね。オーヴァーオールにヒゲ面がよく似合う、クマちゃんのようなルックスでした。
彼もいいギタリストなのに、スティーリー・ダン脱退(辞めさせられた?)後はほとんど録音が残されてないという。不思議です。

ぷくちゃん
2005年10月18日 08:44
まとめてコメントだ!休みだから!タイトルの横の女の胸の谷間が魅力的だから!

私の大学のアメリカ人の友人が、その当時ドナルド・フェイゲンのLPを自慢げに持って歩く私の手元を見て「えっ?こんな音痴な人のアルバム聞いているの?」と言っていました。ネイティブにも馬鹿にされるフェイゲン!頑張れフェイゲン!

でもこの1st今聞いても新鮮ですなあ。なんか「彩」なんかが惰性で作られたかのような、勢いを感じています。(今聞き返しています。)音痴なフェイゲンが全部歌っていないのもいいなあ・・・(爆)
カナ
2005年10月19日 21:22
>ぷくさん

音痴・・・(笑)。そこまで言うか、アメリカ人。でも、まあ自分でも分かってるからこそ他人に歌わせたりしてたんでしょうね。

>でもこの1st今聞いても新鮮ですなあ。

意外と「エイジャ」あたりは聴き過ぎて新鮮味が感じられなくなってたりします。初期のアルバムをたまに聴き返すと妙に新鮮ですよね。

ぷくちゃん
2006年11月04日 05:12
おお、昔もコメントしてる。(←さっぱりと忘れている)

でも「ブルックリン」いいですよね。実はいいと思ったのは先月の事ですが・・それを一年前に公言しているなんてさすが酒場のマスター!
2006年11月05日 04:33
>ぷくさん

もう1年も前の記事なんですね・・・。早いなあ。
ちなみにわたしはフェイゲンのヴォーカルそんなに下手だとは思いませんよ(笑)。

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