去っていく女を想って悶死しそうなオーティス・クレイの傑作アルバム。

画像
今夜のBGM・・・ OTIS CLAY / TRYING TO LIVE MY LIFE WITHOUT YOU

パンデミック!ですね。映画「感染列島」の世界がリアルになろうとしてますねー。マスク、マスク。大型連休ですがあんまり外に出かけずに、家に引きこもって好きな音楽でも聴いてましょうよ、ね?(←自分の仕事が連休関係ないのでひがんでいる)


さて、ここんとこ聖子ちゃん挟んで英国ロックがずっと続いてたので、わたしの脳内のバランサー機能が自動的に働いて、今日はディープ・サザン・ソウル、オーティス・クレイの大名盤、「愛なき世界で(TRYING TO LIVE MY LIFE WITHOUT YOU)」を聴いてます。かっちょえ~。


日本のディープ・ソウル・ファンの心の故郷と呼ばれるオーティス・クレイ。今や本国より日本での人気の方が高いシンガーです。その由来は1978年にO.V.ライトの代役として初来日した時の素晴らしいステージが、未だにベテラン・ソウル・ファンの脳裏に根強く焼きついてるから。


しかし当時7歳だったわたしとしてはそんな事実は知るはずもなく、このシンガーの存在は大学生の時に中古で買ったハイ・レコードのコンパイルCDで知った。オーティス・クレイの歌が・・・というよりは、ディープなのに洗練された美しさを持つハイ・サウンドの独特なホーン・アレンジやストリングス・アレンジの方に耳が行った。スタックスのオーティス・レディングサム&デイヴ、アトランティックのウィルソン・ピケット、他にJBなんかは聴いてたけど、印象が全然違う!歌は熱いのにアレンジはスマート、あえて言えばお洒落ですらある。もちろん、モータウンに代表される軽やかなノーザン・ソウルとも違って、リズムはズッシリとネチッこい。


そのコンパイルCDには他に、アル・グリーンアン・ピーブルズ、もちろんO.V.ライトなんかも収録されていた。最初に気に入ったのはアル・グリーンで、優しく女ッたらしな歌声とロマンティックな世界観が大好きになった。しかし、次第にオーティス・クレイのなんとも無骨な男臭さと哀愁が気になり始めた。そして買ったのがこのアルバム。


なんといってもこのジャケ。去っていった女の写真をうつろに見つめるオーティス。完全にもぬけの殻である。隣でうずくまるプードルもどことなく寂しげだ。もしかしてこのプードルも去っていった女主人を想っているのか?虚しく思い出に浸る1人と1匹・・・・うーむ、ブルースやね。このジャケットを見て以来、プードルはわたしの中でソウルな犬ランキング・ナンバーワンである。


1曲目から失恋の歌が続く。特に②「I DIE A LITTLE EACH DAY」というフレーズが胸にグッと迫る。お前が去っていってからというもの、俺は毎日少しずつ死んでいっているようなもの。どうか戻ってきておくれ。女のことを想って悶死する男。うーむ。しかし、実際に青年期を過ぎると脳細胞は毎日すごいスピードで死んでいく。そう考えると、生きているってことは毎日ちょっとずつ死んでいくことだと言い換えてもあながち間違いではなかろう。「♪僕はゆるやかに死んでゆく~」って昔、フリッパーズ・ギターも歌ってたし。


話がそれた。プロデュースは重鎮ウィリー・ミッチェル。ハイ・サウンドの鍵を握る男だ。バンドは、リロイ・ホッジス(B)、ティーニー・ホッジス(G)、チャールズ・ホッジス(P、Org)のホッジス三兄弟に、ドラムのハワード・グライムズ。この4人が生み出すゆったりとウネる漆黒のウォーキング・グルーヴに、メンフィス・ホーンズとメンフィス・ストリングスが流麗に絡む。これが鉄壁のハイ・サウンド。そのサウンドをバックに従え、全ての曲を自らの実体験のごとく説得力豊かに歌い紡ぐ、滋味と哀愁を湛えたオーティス・クレイの味わい深い歌声が素晴らしい・・・。


そういや、キース・リチャーズのソロ・アルバム「トーク・イズ・チープ」に入ってる必殺バラード「メイク・ノー・ミステイク」は、思いっきりハイ・サウンドを意識してますね。


愛なき世界で愛なき世界で
オーティス・クレイ

ビクターエンタテインメント 2002-09-21
売り上げランキング : 43456
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ハイ・レコードを代表する名作ソウル・アルバムたち。

Let's Stay TogetherLet's Stay Together
Al Green

The Right Stuff 2009-04-14
売り上げランキング : 164474
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


I Can't Stand the RainI Can't Stand the Rain
Ann Peebles

The Right Stuff 2009-05-12
売り上げランキング : 902037

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


The Complete Syl Johnson on Hi RecordsThe Complete Syl Johnson on Hi Records
Syl Johnson

Hi 2000-05-16
売り上げランキング : 33430
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


イントゥ・サムシング(紙ジャケット仕様)イントゥ・サムシング(紙ジャケット仕様)
O.V.ライト

ビクターエンタテインメント 2006-08-02
売り上げランキング : 79086
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ついでにコレも・・・

トーク・イズ・チープトーク・イズ・チープ
キース・リチャーズ

EMIミュージック・ジャパン 1999-06-30
売り上げランキング : 119998
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

2009年05月02日 17:52
このアルバムLPで持ってますがCDでは違うアルバムが2枚あります。
最近はR&Bから遠ざかってたのでまた聴きます!

愛する男が去ってしまえば私も悶死とまでいかなくても
七転八倒の心もちになると思います
2009年05月03日 03:37
>まりさん

こちらも最近R&Bから遠ざかってたので、そろそろぶり返しが・・・。
清志郎亡くなりましたね。ショックというより、動揺してます。


chitlin
2009年05月27日 01:38
極上のハイ・サウンドにディープな歌い込みが素晴らしいですね。
最近、聴き始めたばかりなのでカナさんがおっしゃるジャケ写の描写については思わず目からウロコです。こうなると歌詩の内容にも深みを感じるようになりますね。
2009年05月30日 04:31
>chitlinさん

ジャケに気付いたのは最近なんですけどねー(笑)。ドラマがありますよね。歌詞とリンクしてますから。最近はまたアル・グリーンにはまってます。
2017年05月05日 13:00
Hello, yes this post is actually nice and I have learned lot of things from it on the topic of blogging.
thanks.
2017年07月02日 20:23
What's up i am kavin, its my first occasion to commenting anywhere,
when i read this piece of writing i thought i could also make comment due to this good paragraph.
2017年07月03日 01:54
First of all I want to say wonderful blog! I had a quick question in which I'd like to ask if you don't mind.
I was curious to know how you center yourself and clear your head prior
to writing. I have had trouble clearing my mind in getting my thoughts out there.
I do enjoy writing however it just seems like the first 10
to 15 minutes are generally wasted just trying to figure out how to
begin. Any suggestions or tips? Cheers!
2017年07月03日 04:06
We're a bunch of volunteers and opening a brand new scheme in our
community. Your web site provided us with useful information to
work on. You've performed a formidable task
and our whole community will likely be thankful to you.
2017年07月03日 19:59
Inspiring story there. What occurred after? Take care!
2017年07月04日 04:21
Exactly what I was looking for, appreciate
it for putting up.
2019年05月30日 14:39
Hmm it seems like your website ate my first comment (it was super long)
so I guess I'll just sum it up what I submitted and say, I'm thoroughly enjoying your blog.
I as well am an aspiring blog blogger but I'm still new to everything.
Do you have any recommendations for rookie blog writers?
I'd really appreciate it.
2019年05月30日 23:15
I have been exploring for a bit for any high quality articles or weblog posts
in this kind of area . Exploring in Yahoo I ultimately stumbled upon this web site.
Studying this info So i'm happy to express that I've a very just
right uncanny feeling I discovered just what I needed.
I such a lot indubitably will make certain to don?t omit this web site and give it a look on a continuing basis.

この記事へのトラックバック

  • Otis Clay / Trying To Live My Life Without You (1972)

    Excerpt: Otis Clayのアルバム、『Trying To Live My Life Without You』(1972)を取り上げてみます。 先日、エントリしたMajor Lanceとは見事に対照的な.. Weblog: ぶっとばすぜハイウェイ racked: 2009-05-27 01:31