わたしの想うロンドンのイメージはこんな感じ。ウイングス「ロンドン・タウン」。

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今夜のBGM・・・ WINGS / LONDON TOWN

2週間ぶりの完全休日。先日届いた「マッカートニー」「マッカートニーⅡ」のリマスターCDがキッカケで、ポールのソロ諸作を改めてじっくりと聴き返していました。

その中で、今まであまり印象に残っていなかったウイングスの「ロンドン・タウン」が耳に残った。

ポールのアルバムの中では比較的、地味~な作品ではありますが、これ意外といいアルバムだよね。ジワジワと心に染み入ってくる不思議な作品。

ジャケのせいもあり、まるで今朝の天気のような、ロンドンのドヨンとした曇り空を想起させます(ロンドン、行ったことないけれど・・・)。

しかも実際には陽気のいいヴァージン諸島にヨットを浮かべた優雅な洋上セッションがベーシック・トラックになっているのに、できた作品がうす曇りのロンドンを感じさせるというのがまた面白い。まあ優雅だったのは最初だけで、結局モメてメンバーが2人抜けてて3人だけになってしまい、アビー・ロード・スタジオとかで素材をこねくり回しているうちに結果的にそうなってしまったんだろうけど。いずれにせよ相当な難産だったようです。


色んなタイプの曲が入っていて、どれも粒はよく揃っているのに、コレだ!といった会心の一撃はない。なんとももどかしいんだけれど、そこがいかにもポールらしくてよい。

中でも好きな曲は一瞬バッドフィンガーの「ノー・マター・ホワット」を思わせるパワーポップ的な④。といっても1分ちょっとの小品で、次のインストへのつなぎ曲・・・こういう小品をつないでいく小技はポールの真骨頂。しかしポールの作品がバッドフィンガーに似てるというのも親子逆転だなあ。

あとバラードの③では、なんとギズモを使ってるんですよ、ギズモ。知ってます?ゴドレー&クレームが開発した、ギターにつけるアタッチメント。歯車が回転して弦を擦って音が変わってくヤツ。これがいい効果を生んでいます。

もちろんシングル⑨「With a Little Luck」も好き。これもポールのヒット曲の中では地味めですが、個人的には上位にランキング。イントロの静寂感と、ポール独特の切ない搾り出すような歌声が冴えていると思います。



どこかパブロックの薫りが漂っているのも好きな要素のひとつ。デニー・レイン色が強い(2曲でヴォーカル)というのもあるけれど、まあハンブルグ時代のビートルズは世界で最もワイルドなパブ・ロック・バンドだったわけだしね。

あと、現行CDにボーナストラックで収録されてる特大ヒット⑯「Mull Of Kintyre」のせいもあってか、アイリッシュ色も濃い。⑬とか。


というわけで、全体的にくすんだトーンの中に、ポール節と、パブ・ロックと、アイルランドの要素が詰め込まれてるこのアルバムは、わたしが勝手に考えるロンドンのイメージそのものなのです。パンク・ロックの嵐が吹き荒れる1978年のロンドンで、こういった伝統的である意味保守的なロック・アルバムを作ったポールの頑固さに敬礼。


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この記事へのコメント

SYUNJI
2011年06月19日 22:07
カナさん毎度です。
偶然ですが、先週の通勤BGMはポール特集で、「McCartney II」「Venus And Mars」「Band On The Run」「London Town」を聴いていました。
「London Town」は実は数年前に初めて聴いたアルバムなのでほとんどなじみはないのですが、シングルの「London Town」は好きな曲です。
確かにロンドンの曇り空を思わせるサウンドですよね。
邦題の「たそがれのロンドンタウン」てのも雰囲気があっていいですね。
あ、あたしもロンドン行ったのは20年以上前で、しかも滞在時間は24時間程度だったんですけど・・・。
「With a Little Luck」も好きですが、やはり邦題「幸せの予感」のほうがしっくり来ますね。
JT
2011年06月20日 00:59
こんばんは、JTです。

>先日届いた「マッカートニー」「マッカートニーⅡ」のリマスターCD

あ、もう出てます?輸入盤?

「ロンドン・タウン」、リアルタイムで聴いていたのですが、私の評価はいまひとつ。シンセ多用で全体的にメローすぎると。

でもタイトルトラックの「たそがれのロンドンタウン」は好きですね。あ、あたしもロンドン行ったのは10数年前ですけど、天気はまずまずでした。ロンドンブリッジも写真撮りましたが、ジャケットとは逆側の岸からでした。
まったり男
2011年06月20日 01:57
カナさん、お邪魔します。

私『ロンドン・タウン』大好き男です。あの全体的に良く言えば温かみがある、派手さがない地味な雰囲気がたまりません。楽曲も地味なものが多いし。(笑)
当時の思い出なんかも絡み合って、思い入れが強いので、多分一生離れられないアルバムです、これ。

最近全く聴いてなかったので、久しぶりに聴きたいと思います。
2011年06月21日 03:58
>SYUNJIさん

毎度です。それは偶然ですね!わたしも「マッカートニーⅡ」の「フローズン・ジャップ」を聴いて微妙な気持ちになってたところです(笑)。

わたしもこのアルバムは「バンド・オン・ザ・ラン」や「ヴィーナス・アンド・マース」に比べると全然聴きこみが不足していたのですが、改めてじっくり聴いたら悪くないなと思いました。

そういえばキャバレー「ロンドン」て今でもあるんですかね・・・。
2011年06月21日 04:04
>JTさん

どもです!

>あ、もう出てます?輸入盤?

輸入盤です。スーパー・デラックス・エディションじゃない普通のヤツです。でもオマケCDは1枚付いて来ました。

シンセは確かに多用されてますよね。でも今聴くとこのシンセの音色がマイルドでわたしは好きです。曲は全体的に統一感がなくてとっ散らかってますよね。完成度という点では70年代の他の名盤と比べると全然及ばないと思います。
でもこの製作過程も含めて半端な感じ(笑)が実にポールらしいというか、愛すべきアルバムだと思います。

2011年06月21日 04:09
>まったり男さん

こんばんは!

>良く言えば温かみがある、派手さがない地味な雰囲気がたまりません。

そうそう(笑)。地味さがたまらないですよね。温かみを感じる要因として、シンセのマイルドな音色とポールの歌声だと思うのですが、どうでしょう?

曲も地味ですけど、最近のポールの諸作と比べれば信じられないぐらいの名曲ばかりだと思います。
2011年06月21日 20:11
カナさんの言うとおり、地味だけどウィングス後期の傑作だと思います。タイトル・ソングが一番好きですね。遅ればせながら、BAWDIESのアルバム5枚買いました!!いいアルバム紹介していただきありがとうございました。
2011年06月22日 05:58
>ロック仙人TFさん

BAWDIES、イッキ5枚買いですか、凄いですね!BAWDIES、今年はサマソニで生で観れる予定なので楽しみにしてます。

この記事へのトラックバック

  • 『ロンドン・タウン』の3曲

    Excerpt: あー痒い!痒い!痒い! 蕁麻疹。 気にすれば気にするほど、身体のあちこちが痒くなるような気がする。 病は気から・・・とはよく言ったものだと思う?この数日。 さぁ、ウイングス時代のアルバムも後.. Weblog: 隠れ家でまったりとブログを... racked: 2011-06-20 13:28