はっぴいえんど「風街ろまん」で考える日本語詞の力。

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今夜のBGM・・・ はっぴいえんど / 風街ろまん


3週間ほどブログの更新お休みして、サボって・・・リフレッシュしてました。

ジャムさんに送っていただいたアナログレコード聴いてまったりしたり、読みたかった本やマンガをイッキ読みしたり。ボーッとしたり。考え事に耽ったり。(仕事はしてない。)

でも3週間も更新しないとやっぱりダメだ(笑)。ブログ書きたい病が襲ってくる。こりゃ一種の職業病だな。(←どんな職業?)というわけでまたボチボチと更新を再開していきます。


さて、ジャムさんに送っていただいたアナログレコード段ボール1箱分。その中にはっぴいえんど風街ろまん」もありました。

もちろんCDでは持ってるし学生の頃からずっと聴いてるけど、アナログレコードで聴くのは初めて。やっぱりレコードはいい。時間がゆっくりと流れる。いや、実際には流れる時間はCDと同じなんだけど、流れる時間の質が違う。途中で盤をひっくり返したりして、時間が優雅に流れてくんだよねー。

それになんといってもジャケがでかいのがイイ!4人の顔がドーン。今も部屋に飾ってあります。なんつっても4人とも自分にとっちゃアイドルだからね。


大滝さんと松本さんはそれこそ高校の頃から憧れの存在。

はっぴいえんどをリアルタイムで聴いていた方はかなりのベテランだと思いますが、後追い派で自分の世代だと大滝さんのソロ経由で遡る人が多かったように思う。YMOから細野さん経由で遡る人はあまりいなかったな。

自分の場合、高校時代に佐野元春が好きでよくコンサートにも行ったりしてたので、ナイアガラ・トライアングルで大滝さん知って、ロンバケとか大滝さんのソロを遡って聴いていってはっぴいに行き着いた・・・という完全に大滝さん派の人間です。

もうちょっと後の世代になると、渋谷系アーティストによる再評価があったので、いきなりはっぴいから聴き始めた贅沢な人も多いみたいだけど。

松本さんに関してはそれこそ、小学生の頃から意識せずに太田裕美や松田聖子や近藤真彦の歌詞で影響されてたわけで・・・松本さんの歌詞だと意識するようになってからは、「微熱少年」とかも読んだなあ。

細野さんの凄みを知ったのは大人になってから。大滝さんほど掘り下げて聴いてない分、今は細野さんに一番興味ある。

鈴木茂さんは、正直ソロは「バンドワゴン」しか持ってないからアイドルなんて言うのはおこがましいし、本物のファンに怒られてしまうけど、それでも彼の数多くのセッションワークで聴けるギターには唸ってしまうし、特にはっぴいえんどのラストアルバム「HAPPY END」は彼の活躍ナシでは生まれ得なかった名作だと思う。


ところで、久しぶりにあらためてじっくりゆっくりと「風街ろまん」聴いてみて思うのは、やっぱりサウンド面よりも日本語詞の素晴らしさ、その奥深さに改めて感激してしまう。

サウンド的には当時のウェストコーストのロック、バッファローとかモビー・グレイプとかの模倣からスタートして・・・模倣といっても当時の日本にはそもそもそんなマニアックなバンドをコピーする人なんていなかったし、演奏ももちろん素晴らしいけど・・・とにかくサウンド面ではひとまずお手本があったわけです。

当時、ロックは欧米の音楽なんだから日本語はリズムに乗らない、英語でやるべきだ、という、今では考えられないような意見が主流でした。それに対し、絶対に日本語でロックをやるんだという彼らの心意気と覚悟、試行錯誤を重ねた努力の痕跡・・・日本語と死ぬほど格闘した結果モノにしたのが、この素晴らしくオリジナルなサウンドとコトバのマッチング。

英語まじりの巻き舌ヴォーカルでもなく、あの純日本的な発声で、例えば

「とてもー/すばや/くーとー/びおりるので」
「あたりわに/わかにか/きくもーり」
「むこ/おおーゆく/のわお/はるじゃないか」

といったように、文節の区切りを意図的にズラすことでリズムに乗せていく。

言葉の選び取り方だって、決してスッと出てきたわけじゃなく、メチャクチャ考え抜かれています。ただリズムに合っているというだけではなく、わざと純和風で美しい言葉を選び取ってる。

そういう観点からみると、はっぴいえんどの事実上の中心人物は松本さんだったという見方もできます。細野さんだって、後に素晴らしい日本語詞を書くようになりますが、はっぴい結成当初は誰よりも英語でやることにこだわってたみたいですからね。


今日(この記事書いてる日)、たまたまミュージックステーションを見てて、ある若手バンドの歌詞見て思ったのですが、まあとにかく伝えたいことがたくさんあって溢れてくるのかも知れないのですが、思ったことを全部歌詞にしちゃってるような・・・。とにかく言葉が多くてメロディからはみ出しちゃってる。こりゃ歌詞じゃなくて作文だなあ、と思いました。まあ日本語ラップ登場以前、以後というのはあるけれど、その割には言葉が韻をふんでるわけでもなく。

言葉を選ぶ、とか、あえて引く、とか、メロディとのマッチングを考えるとか、若いバンドはもうちょっと言葉の力というのを大切に考えた方がいいんじゃないか・・・などと、ついオヤジのようなことを考えてしまいました。それを思うと、彼らと同じくらいの年齢でこれを作ったはっぴいえんどのメンバーの才能ときたら。この若さにしてなんという老獪さ!


それにしても、普段洋楽聴いてる時には歌詞なんて気にしてないのに、日本語にはついつい反応して歌詞が気に入らないと文句言ってる・・・というのも都合のいい話だなあ(笑)。


参考文献
レコード・コレクターズ1993年7月号「特集はっぴいえんど」
「はっぴいえんど伝説」萩原健太著 シンコー・ミュージック刊
KAWADE夢ムック「総特集:大滝詠一」河出書房新社


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