今が聴き時。ワシントンD.C.がチョコレート・シティになる時。

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今夜のBGM・・・ PARLIAMENT / CHOCOLATE CITY

チョコレート・シティ=ワシントンD.C.のこと。政治の中枢でアメリカを動かす白人たちは郊外に住み、街の中心部には人口の大部分を占める黒人のパワーとGOGOに代表される黒いグルーヴがうごめく、チョコレート色の街。

D.C.ならぬC.C.(チョコレート・シティ)では、ジェイムズ・ブラウンが財務大臣、リチャード・プライヤーが教育担当大臣、スティーヴィー・ワンダーがファイン・アートの大臣、そしてアレサ・フランクリンがファースト・レディ(大統領夫人)なのだ。


と、かつてこのアルバムでジョージ・クリントンが皮肉タップリに語った(ラップした)ものですが、今や黒人大統領が就任しようとしているのだから当時と状況はえらく変わったものだ。まあ正確に言うとオバマは黒人と白人のハーフですが、アメリカでは黒人の血がちょっとでも入ってたら黒人と呼ばれて差別対象になってきた長い歴史があるのです。だからハーフといってもオバマの大統領就任がどれだけ意義のあることか。


アメリカの象徴でもある連邦議会議事堂で20日に行われる大統領就任式典では、C.C.のファースト・レディと呼ばれたアレサ・フランクリンが登場し歌声を披露するそうです。これもかつての状況から考えるとあり得ないこと。クリントン爺さんも我々の願いが叶ったと涙しているのか、まだまだ状況は変わっとらんぞこれからじゃいと息巻いているのか。いずれにせよ、音楽を通して黒人の地位向上のために戦ってきた闘士たちにとっても、1月20日は歴史的な一日となることでしょう。


このアルバムは、クリントン率いるP.ファンク軍団が全盛期へと突入していく、その幕開けを飾るパーラメント名義の3枚目。(パーラメント、ファンカデリックなど名義を変えて、ジョージ・クリントンの元でアメーバのように集合と離散を繰り返すファンク・ミュージシャンの集合体をP.ファンクと呼びます、念のため。)クリントン、ぶっとびシンセのバーニー・ウォーレル、そして我らがスーパースター、ブーツィ・コリンズの3巨頭体制がいよいよ整い、特にブーツィの全面参加は大きく、リズム・アレンジも含めてブリブリ・ベースで軍団の先頭に立って旗を振ります。


リズム・ボックスの無機質なビートに乗って、熱いメッセージをクールにラップする、あまりにもカッコいいタイトル曲①はむしろ異質で、②以降のストレートなファンクが真面目に熱い。真面目に熱いというのは、この後のアルバム「マザーシップ・コネクション」以降では、ドクター・ファンケンシュタインvsサー・ノウズという宇宙を舞台にした壮大かつアホらしいコンセプトがクローズアップされてきて、それはそれでP.ファンクの大きな魅力だし大好きなのだが、このアルバムにおけるリアルなストリート・ミュージックとしてのファンクがかえって眩しかったりする。


根っこの深さを感じさせる、みじんの揺るぎもないぶっといビートと、クリントンのヘナヘナ声をフォローアップする、圧倒的な実力を持つヴォーカル軍団によるゴスペルライクなコーラス・・・思うに、パーラメントと他のファンク・バンドとの一番の違いはこのヴォーカル陣の層の厚さだ。パーラ名義のアルバムの中では個人的に一番好きです。オバマ大統領就任式のタイミングの今が聴き時。D.C.がC.C.となる歴史的瞬間を、このアルバム聴きながら祝い、見守ろうではないか。(←ちょっと大げさ)


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ついでにワシントンD.C.名物のGOGOも聴こう。GOGOといえばチャック・ブラウン。

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